育児休業給付金
育児休業給付金は、被保険者が原則1歳未満の子を養育するために休業することが雇用の継続のために必要と認められた場合、支給単位期間に支給されます。
支給要件
1歳(一定の場合には1歳6ヶ月)未満の子を養育する被保険者(高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者は除く)が次の要件に該当する必要があります。
- 休業開始日前2年間にみなし被保険者期間が通算して12ヶ月以上あること
- 厚生労働省で定める育児休業であること
- 事業主から支払われた賃金額が休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の80%以上でないこと
1歳6か月となる場合
養育する子が1歳に達した日後も休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合で、次のケースがあります。
- 保育所(認可保育所に限る)の入所を希望して申込みを行っているが、その子が1歳に達する日後も入所できない場合
- 育児休業を行っている被保険者の配偶者が1歳に達する日以後常態として子を養育する予定だったのが次にいずれかに該当した場合
- 死亡したとき
- 負傷、疾病または身体上若しくは精神上の障害により子を養育することが困難になったとき
- 婚姻の解消その他の事情により配偶者が子と同居しないこととなったとき
- 6週間(多胎妊娠は14週間)以内に出産する予定であるか、または産後8週間を経過しないとき
みなし被保険者期間とは?
育児休業開始日を被保険者でなくなった日とみなして、基本手当の受給に係る被保険者期間の計算方法によって計算した被保険者期間に相当する期間をいいます。
一定の要件を満たす一般被保険者であれば、性別は問いません。
子は実子であるか養子であるかは問いません。
労働基準法の産後休業期間は育児休業期間には含まれません。
育児休業期間中に産前産後休業、介護休業、新たな1歳未満の子を養育する育児休業が開始されたときは、原則としてそれらの休業開始後の休業は育児休業給付金の対象とはなりません。
支給期間
育児休業開始日から、子が1歳(一定の場合には1歳6ヶ月)に達する日の前日までの期間支給されます。図の例ですと、6月17日から翌年の4月29日が支給期間となります。
ただし、日数を計算する場合、1支給単位(例では6月17日~7月16日、7月17日~8月16日・・・・)は30日として算出します。また、支給単位期間の最後(育児休業終了日が属する支給単位期間)が1ヶ月に満たないときは、暦日で計算されます。例では4月17日~4月29日の13日がこれに相当します。
支給額
育児休業給付金の額は、休業開始時賃金日額に支給日数の40%(当分の間50%、さらに休業開始から180日間は67%)を乗じた額となります。
上図の例ですと、6月17日~翌年4月16日の日数は10支給単位期間×30日=300日で、最後の支給単位期間は13日ですから、支給日数は300+13=313日となります。
休業開始時賃金日額とは?
育児休業を開始した日の前日を離職の日とみなして算定した賃金日額に相当する額のことです。この休業開始時賃金日額は、30歳以上45歳未満の受給資格者に係る賃金日額の最高限度額が適用されます。
給付金の減額および不支給
支給単位期間に支払われた賃金 | 育児休業給付金 |
---|---|
休業開始時賃金日額×支給日数の30%以下 | 休業開始時賃金日額×支給日数×50% |
休業開始時賃金日額×支給日数の30%を超え80%未満 | 休業開始時賃金日額×支給日数×80%-支給単位期間に支払われた賃金 |
休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上 | 支給されません |
パパ・ママ育休プラス制度
父母ともに育児休業を取得する場合、以下の要件を満たすとき、子が1歳2か月に達する日の前日までの間に、1年を上限として育児休業給付金が支給されます。
- 当該被保険者の配偶者が、当該子の1歳に達する日以前に育児休業を取得していること
- 休業開始予定日が、当該子の1歳に達する日の翌日後ではないこと
- 休業開始予定日が、当該被保険者の配偶者が取得している育児休業期間の初日前でないこと
支給期間
育児休業に係る子が1歳2か月に達する日の前日までの期間のうち最大1年間です。
男性に支給されるのは最大1年間です。
女性の場合は出産日と産後休業期間と育児休業給付金を受給できる期間を合わせて1年間です。ただし、保育所に入所できない等の理由で1歳6か月まで期間延長された場合は、1歳6か月に達する日の前日までの期間が支給期間となります。